整形外科医が「脚の痛み」について解説してみました
こんにちは、中堅整形外科医oceanaidです。
今回は、「脚の痛み」についてお話させてもらいます。
各疾患名をクリックするとその疾患の解説が見れますのでご参考にして頂ければ幸いです。
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脚の痛み
脚は医学用語で下肢と呼びます。
下肢とは股から足先までを含み、
股から膝までを大腿、膝から足首までを下腿、足首から足先までを足(趾)と呼びます。
それでは、下肢のそれぞれの部位に起こる疾患についてご紹介していきます。
脚全体の痛み
腕全体の痛みの場合と同じで神経由来の症状のことが多く、
その神経が担当している領域にジンジン・ビリビリするしびれたような痛みが出現します。
しびれるだけでは経過観察となることが多いですが、
脚の麻痺が出現する場合は手術を要することもあるため注意が必要です。
その他、骨の変形に由来するO脚変形、X脚変形や、骨・筋肉・神経などの障害による移動機能低下(=ロコモティブシンドローム)などもあります。
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股の痛み
股関節の痛みは特に女性に多く、
頻度で言うと、変形性股関節症や大腿骨頚部骨折、骨盤骨折が多くなってきます。
変形性股関節症は子供の時の病気や発育障害の後遺症として発症することが多いです。
大腿骨頚部骨折や骨盤骨折などは、
骨粗鬆症(女性に多い)のため骨が脆くなり転んだだけで骨折を起こしてしまいます。
その他、アルコール多飲が関与する特発性大腿骨頭壊死症や、
サッカー選手に起こりやすい鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)などもあります。
膝の痛み
代表疾患としては、変形性膝関節症、靱帯損傷、オスグッド・シュラッター病、半月板損傷などがあります。
靱帯損傷、オスグッド・シュラッター病はスポーツ障害として起こりやすく、
それぞれ起こしやすいスポーツがあります。
(例えば前十字靱帯損傷では、サッカーやバスケットボール選手に好発します。)
半月板損傷はスポーツや事故などで膝をひねって損傷する場合や、
靱帯損傷に合併して損傷する場合、
加齢による半月板の質の低下によって損傷する場合など原因が様々です。
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足首の痛み
代表疾患としては、足関節捻挫、足関節骨折、アキレス腱断裂、変形性足関節症などがあります。
いずれも、足首をひねったり、スポーツ中などに起こりやすいです。
捻挫の場合は手術となることはほとんどありませんが、
骨折やアキレス腱断裂の場合は、早期回復のため手術を選択することもあります。
変形性足関節症は捻挫や骨折の後遺症として発症しやすくなります。
足の痛み
代表疾患としては、扁平足、外反母趾、モートン病、痛風、足底腱膜炎、足部の骨折などがあります。
扁平足や外反母趾、モートン病は女性に多く、靴の形などが影響してきます。
反対に痛風は男性に多く、暴飲暴食した翌朝などに、
急に足の親ゆびのつけ根が赤く腫れあがり激痛が出現します。
足底腱膜炎は慢性的に足の裏(踵付近)に痛みが続く疾患です。
手術を要する疾患は少ないですが、
症状が進行している場合や重度の骨折の場合などは手術を要することがあります。
以上、今回は「脚の痛み」についてのお話でした。
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