足の痛みの原因となる「外反母趾」について整形外科医が解説してみました
こんにちは、中堅整形外科医oceanaidです。
今回は足の痛みの原因となる「外反母趾」についてお話していきたいと思います。
脚の痛みについてはこちら
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外反母趾とは?
母趾(足の親指)が外反・回内する変形のことです。
第1中足骨頭の内側への突出や母趾機能不全により様々な障害が生じます。
誰に多い?
10:1の割合で女性に多いです。
ハイヒールなどの靴の影響が大きいですが、
その他、
母趾が第2趾と比較し長いエジプト型の足や扁平足でも生じやすいです。
症状は?
母趾中足趾節関節(MTP関節)の痛みが一般的です。
内側に突出することによって靴に圧迫され痛みが出現します。
ただし、痛みの程度と変形の重症度は相関しないと言われています。
診断は?
視診にて診断は容易です。
レントゲンでは第1中足骨軸と第1基節骨軸とがなす角である外反母趾角(HV角)や、第1と第2中足骨軸のなす角である第1、2中足骨間角(M1-M2角)で重症度を評価します。
外反母趾角が、
20度以上30度未満を軽症、
30度以上40度未満を中等症、
40度以上を重症と定義します。
治療は?
保存療法
靴の指導が重要です。
足趾を動かせるようにつま先部分が広い靴、
足が靴の中で滑らないように靴紐やストラップがついた靴を選択します。
ヒールは3㎝以下に留めます。
母趾をひろげる運動、足趾でグーチョキパーを作る運動を行います。
痛みの軽減には装具療法も有効ですが、変形矯正には効果が少ないと言われています。
出典:日本整形外科学会
手術療法
痛みがあり、保存療法が無効の場合手術療法を選択することがあります。
手術方法は多数開発されています。
一般的には、
軽症には第1中足骨遠位骨切り術(Mitchell法、Chevron法など)を、
重症にはMTP関節外側軟部組織解離術を併用した第1中足骨骨切り術(Mann法、Scarf法、水平骨切り術など)を、
中等症には、関節の適合性を評価し上記にいずれかの方法を行います。
出典:日本整形外科学会
以上、今回は「外反母趾」についてのお話でした。
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