整形外科医oceanaidのブログ

中堅整形外科医の視点でいろいろ書いていきます。

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突発性発疹?手足口病?整形外科医が調べてみました

こんにちは、中堅整形外科医oceanaidです。

 

今回は整形外科疾患ではなく、専門外ですが子供の疾患について調べてみました。

 

実は先日、息子が39℃台の熱を出しました。

そして、発熱にやや遅れて発疹も出てきました。

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乳幼児の発熱、発疹といえば「突発性発疹」を思い浮かべます。

medicalnote.jp

 

発症年齢的には0歳と1歳がほとんどを占めるため、2歳前ではありますが息子が罹っても矛盾はありません。

 

症状としては、

突然の高熱が特徴で、発熱は3~5日続きます。解熱とともに体幹(胴体)や首に薄いピンク色またはバラ色の2~3mmの発疹がみられるようになります。発疹は体幹から手足へと広がり、1~2日で消えていきます。

 

高熱の割に赤ちゃんの機嫌がよいことも特徴的です。むしろ、解熱後の発疹をともなう時期に赤ちゃんの機嫌が悪くなることがあります。発疹自体は3日前後の経過で跡を残すことなく改善し、それとともに赤ちゃんの機嫌もよくなってきます。

 とのことです。

 

息子もやはり、高熱の割には元気で食欲もありましたが、発疹が出現したあたりから機嫌が悪くなってきました。

そして発疹が改善していくのにあわせて、機嫌も良くなってきました。

 

症状も矛盾はないようです。

 

ただし、突発性発疹と言えば赤ちゃんが起こす、初めての高熱というイメージであり、実際、息子も昨年夏に40℃の高熱(この時も熱の割には機嫌も良かった)を出したことがありました。

 

この時は解熱後も発疹は出なかったのですが、

 なかには発熱や発疹のない突発性発疹症もわずかに存在します。

 とあるように、発疹の出ないタイプだったのだろうと思っていました。

 

一度突発性発疹を起こすと二度と罹らないものと思っていたので、

症状は合うけど、今回は突発性発疹ではないのかなと思いながらネットで調べてみると、

 

主な原因ウイルスはヒトヘルペスウイルス6型ですが、別のウイルスによっても発症することがあるため、

 一度ではなく複数回発症することがあります

 とのことでした。

 

 

突発性発疹のような気もするし、そうでないような気もすると思いながら、発疹がひどくなったタイミングで妻が息子を皮膚科へ連れて行きました。

 

 

皮膚科での診断は「手足口病」でした!!

 

 

なるほど、たしかにちょうど大流行中というニュースを見た時期でした。

排便後手洗い十分に 手足口病大流行2万人 31都府県で警戒レベル超(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

そこで手足口病についても調べてみました。

medicalnote.jp

 

コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型などが主な原因ウイルスとなり、

 手のひら・足の裏・口のなかに小さな水ぶくれが生じます。この水ぶくれを水疱(すいほう)とよびます。水疱はおしりやひざに生じることもあります。口腔内の発疹はすぐに破れて潰瘍性になります。熱は出ないことが多いとされます。

 

え!?

熱は出ないことが多い

思いっきり熱出たな~

 

 手足口病の症状は、3~7日ほど経つと消えていき、治癒に向かいます。手足口病の水ぶくれは、水痘(すいとう)と異なり、消退までの過程で「かさぶた」にならないという特徴があります。

 

発疹が治る過程で「かさぶたができたような…

 

もしかして突発性発疹だった?とか思ってしまいました。

 

見分ける方法がないのか調べてみましたが、

 

 

突発性発疹の皮疹は、

直径2~3mm大の淡紅色の紅斑(毛細血管が拡張し、皮膚表面に赤くなった状態、 同部を圧迫すると消失する)が出現し、融合して不規則な形を示す。

色素沈着や落屑は見られない。

 

 

手足口病の皮疹は、

手のひらや足の裏の角層の厚い部分に小水庖(水ぶくれ)、小紅斑小丘疹(直径1cm以下の皮膚の隆起)を生じる。

肘、膝、お尻など外的刺激の加わる部位にも紅色丘疹水庖が出現することが少なくない。

口の中では粘膜や舌にアフタ(口腔粘膜にできる直径数ミリの円形や楕円形の浅い凹み)、小潰瘍(アフタより深くえぐれた凹み、粘膜が欠損しその下の組織が露出している)を形成する。

痛みが強い。

 

 

症状は突発性発疹のようだが、皮疹は手足口病のような。

 

ん~、結局分からない

ウイルス分離検査をすれば分かるのでしょうけど、そこまでする意味はないし。

 

 

まあ、いずれにせよ脱水にならないようにこまめに水分補給しながら、自然と良くなるのを待つだけ。

 

実際、特に合併症等もなく数日で元気になりました。

 

 

整形外科の疾患でも原因がはっきりしない痛みなどがありますが、小児科の疾患の難しさを感じさせられました。