整形外科医oceanaidのブログ

中堅整形外科医の視点でいろいろ書いていきます。

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長時間のスマホ使用は子供にとって有害?急性内斜視について整形外科医が調べてみました

こんにちは、中堅整形外科医oceanaidです。

 

皆さんはスマートフォンを1日にどれくらい使用していますか?

また、お子さんがいらっしゃる方はどれくらい使用させていますか?

 

我が家には2歳前の息子がいるのですが、

スマートフォンタブレットが大好きで、動画を見たり、電話をかける真似をしてみたり、息子自身の写真を見たりすることが多いです。

 

時間で言うと1日当たり1時間くらいは使用しているのではないかと思います。

 

最近、日本弱視斜視学会/日本小児眼科学会にて、

ある全国予備調査の結果が報告されました。

 

 それは「スマートフォンタブレットなどのデジタルデバイスと内斜視(急性後天共同性内斜視)の関連について」です。

 

内斜視とは、

右眼か左眼どちらかの視線が内側に向かっている状態です。両眼が外に動くことができない場合には、両眼が内側に寄り、顔をどちらかに回して片方の眼で見ています。

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その調査では、主に眼科の医師158人に対し、

 内斜視とデジタルデバイス使用は関連があると思うかを尋ねたところ、
122人(77.2%)が「あると思う」と回答した。
関連があると考えた根拠として、「長時間使用の背景があった」(112人)、「患者の保護者が『関連がある』といった」(50人)、「使用時間を短縮したら改善した」(37人)、「患者が『関連がある』といった」(37人)――が挙がった(複数回答、以下同)。

引用元:m3.com

 とあり、

実に7割以上の医師が内斜視とデジタルデバイス使用には関連があると考えていました。

 

この調査の対象年齢は5歳から35歳までですが、

5歳未満の乳幼児なら心配いらないのかというと、そうではないようです。

 

浜松医科大学眼科(小児眼科)病院教授の佐藤美保先生によると、

5歳未満の子が内斜視になってしまうと、

手術で眼の位置を戻せたとしても視力が戻らなかったり、立体視が戻らなかったりといったリスクが高くなるそうです。

 

また、スマートフォンの普及に伴い、内斜視の患者さんが増えているそうです。

 

今回の調査は予備調査とのことで、内斜視とデジタルデバイスの使用との具体的な関連はまだ示されていませんが、

今後本調査が始まると、そのあたりもはっきりしてくるかもしれません。

 

いずれにしても、多くの眼科医が内斜視とデジタルデバイス使用には関連があると考えているため、

お子さんにスマートフォンタブレットを見せる際は、

  • 1時間見たら5-10分休憩する
  • 画面と眼の距離を保つ(パソコンで50cm、スマートフォンで30cm以上)

といった予防策をとったほうが良いようです。