メリットなし!?医師の働き方改革は給料が下がるだけかも【愚痴】
こんにちは、中堅整形外科医oceanaidです。
今回は、医師の働き方改革について愚痴を交えてご紹介していきたいと思います。
スポンサーリンク
2019 年4月から本格的に始動し始めた働き方改革ですが、
私が勤務する病院もようやく10月1日から本格始動しました。
(医師以外のスタッフはすでに指導していましたが、医師の業務の特殊性から医師のみ遅れた形です。)
まず、始動するにあたって36協定というものが必要になってきます。
36(サブロク)協定について詳しくはこちら↓
労働基準法改正にて、特別条項として以下のような制限が設けられました。
引用元:Yahoo!しごと検索
この制限に違反すると事業者は刑事罰を受けます。
ちなみに、
過労死ラインと言われる残業時間は、たとえば、脳・心臓疾患の場合は、1カ月当たりの残業時間が45時間を超えると、疾患の発症との関連性が強まるとされ、発症前1カ月間に100時間、発症前2~6カ月間にわたって1カ月当たり80時間となると、発症との関連性が強いとされます。
引用元:Yahoo!しごと検索
したがって、
上記の制限では十分に過労死を予防できるとは言い難い状況です。
スポンサーリンク
そして、
本題の医師の働き方改革についてですが、
医師の業務の特殊性から他職種と違い、
2024年4月まで始動が猶予されています。
内容自体はまだ協議中のようですが、
通常の医師は年間上限960時間、特例で年間1860時間の制限の方向で調整中のようです。
年間1000時間以上が当たり前の業界なので、いきなりこの基準を満たすことは難しく、
少しずつ各々の病院で目標時間にむけて調整されているようです。
私が勤務する病院では、
1か月120時間、年間1200時間までという協定が結ばれました。
(過労死ラインの1.5倍ですが、医師ならしかたないよねということらしいです。)
もともと月80~100時間くらいは時間外労働していたので、
この点はあまり抵抗はありませんでしたが、
何歳までその条件で働けるのかなという不安もあります。
スポンサーリンク
また、当院の働き方改革で大きく変わるのが医師の夜勤(当直)です。
医師は通常平日は毎日、日勤がありますが、
それプラス宿直という形で夜勤を行っています。
宿直とは、
日勤業務が完全に終了した後に病院に宿泊し(夜間に十分な睡眠がとり得る)、
緊急事態や軽度または短時間の業務などにあたるものです。
しかし、
実際は宿直とは名ばかりで仮眠すら取れないという日が多々あります。
業務内容自体は夜勤にあたります。
また、他職種と違い医師の場合は宿直明けも通常の日勤にうつることが大半のため、
翌日定時で帰れたとしても、33時間連続勤務(8時半から翌日17時半までの計算)となってしまいます。
今まではそれが普通だったため甘んじて受け入れていました。
それが働き方改革によってようやくテコ入れされたのです。
宿直が夜勤扱いとなり、翌日は原則休みとなるようになりました。
(厳密には月3~4回の宿直の内、特に忙しい宿直の1回だけ)
そして、
翌日朝に帰宅出来たらどんなに良いだろうと思いながら先日夜勤をしたのですが、
結局翌日は休みになることはありませんでした。
冷静に考えたら休めるわけがないのです。
制度が変わっただけで仕事量は全く減るわけではないのですから...
事務に問い合わせをしたら、苦笑いで休めるわけないですよね~とのこと。
夜勤明けで休めなかったとしても特に罰則があるわけではなく、
翌日の日勤帯を時間外労働扱いで働くことになるだけでした。
(月120時間を超える場合は控えてもらうけど、とのこと。)
10月1日始動の働き方改革を機に、
時間外手当の制度が変更となり時間外手当が以前より減少する見込みのため、
労働時間は全く変わらずに、給料だけが下がってしまう、
なんのメリットもない働き方改革となってしまいました。
スポンサーリンク