幼児期の肥満は将来に肥満につながる!?整形外科医が幼児の肥満について調べてみました!!
こんばんは、中堅整形外科医oceanaidです。
前回、
ついつい我が子に食べさせ過ぎて肥満児になるのではと心配になってきたエピソードをご紹介させて頂きました。
そこで、
今回は「幼児の肥満」について調べてみました。
なお、
今回の記事(図表含む)は日本小児科学会の「幼児肥満ガイド」を参考にさせて頂きました。
長い内容だったため、自分が気になった内容を抜粋・引用し、
自分なりの解釈でまとめてみました。
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幼児の肥満
肥満は体脂肪が過剰に蓄積した状態と定義されます。
新生児期から幼児期にかけての体脂肪率の推移は、
男女とも 1 歳頃までに 20%前後に上がり主に皮下脂肪が増えます。
その後 2~3 歳には減少していき、6 歳頃には底値になります。
(女子は 7 歳前後から再度 増える傾向にあります)
子供の肥満は、
- 乳児肥満
- 幼児肥満
- 学童肥満
- 思春期肥満
肥満度とは?
実測体重と標準体重との差を標準体重との比較により表したものです。
肥満度は体脂肪量を示す代替指標と考えられています。
その計算式は下記の通りです。
実測体重が標準体重よりも重ければ、「+〇%」、軽ければ「-〇%」、
標準体重に一致した場合は「0%」と表されます。
また、幼児期(1 歳以上 6 歳未満)標準体重は下記の計算式から求められます。
私の子供(男児)の場合、
大体身長85㎝、体重12㎏ですので上記の式で計算すると、
標準体重=0.00206×85×85-0.1166×85+6.5273=11.4998㎏
肥満度=(12-11.4998)÷11.4998×100=4.35%
となります。
肥満度は下記のように区分けされており、
わが子の場合は幸い「ふつう」でした。
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幼児肥満の頻度
平成 29 年度の 5 歳児の肥満率は全国平均で 2.73%でした。
ただし、
最小 0.74%(島根県)〜最大 6.53%(福島県)と地域格差がみられます。
肥満の分類
明らかな疾患が原因ではない肥満を原発性肥満、
何かしらの疾患が原因の肥満を二次性肥満と分類します。
子供の肥満の場合はほとんどが原発性肥満で、
その原因としては主に以下が挙げられます。
- 食べ過ぎ
- 高カロリー高脂肪食を好む
- 運動不足
幼児肥満の悪影響
乳児肥満の場合はその多くが自然に解消されるのですが、
幼児肥満は場合は学童肥満に進展しやすいとされています。
また、
思春期の高度肥満は幼児期にすでに肥満になっていることが多いです。
つまり、
幼児期の肥満が将来の肥満につながるということです。
また、
肥満とメタボリックシンドローム関係は有名ですが、
幼児肥満もやはり、将来のメタボリックシンドロームへ関与する可能性があります。
(もちろん、幼児期にメタボリックシンドロームになるわけではありませんが...)
最近の研究によれば、
30 歳台の内臓脂肪型肥満には幼児期の急激な体重増加が関与していることが報告されています。
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幼児肥満の予防
食事
1日3 回の食事と1回の間食が基本です。
塩分が多いもの、外食、甘い飲み物などは控えるようにします。
間食は1~2歳は約100kcal、3歳以上は約200kcalを目安にします。
摂取量の目安は下記の通りです。
2歳男児を例にすると、1日当たり下記くらいの摂取が目標になります。
- タンパク質と脂肪:肉(肉の種類、部位によって違いあり)およそ100g
- 炭水化物:ご飯茶碗およそ2杯強
- カルシウム:牛乳およそ2杯分
- 鉄:鶏レバーおよそ50g
運動
幼児期は神経系の発達が著しい時期なので、
この時期に体を使って十分に遊ばせることが重要です。
運動の効果としては下記の通りです。
- 体力・運動能力の向上
- 健康な体の育成
- 意欲的な心の育成
- 社会適応力の発達
- 認知的能力の発達
睡眠
睡眠時間が短い場合や、就寝時間が遅い場合は、
肥満につながる可能性が報告されています。
以上「幼児の肥満」についてでした。
子供の健康管理は親の役目です。
我が子には肥満なく、健康に育ってほしいものです。
(私自身、年々体重が増えてきたので、偉そうなことを言える立場ではないのですが...)
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