整形外科医oceanaidのブログ

中堅整形外科医の視点でいろいろ書いていきます。

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子供はなぜ寝相がわるいのか整形外科医が調べてみました

こんにちは、中堅整形外科医oceanaidです。

 

私には2歳前の息子がいるのですが、とにかく寝相がわるいです。

 

和室にシングルサイズの敷布団を3枚敷いて、<私ー妻ー息子>の並びで寝ているのですが、気付くと足元に息子がいることがあります。

 

距離にして2メートルくらいは、優に動いていることになります。

 

さて、子供は寝相がわるいということはよく聞きますが、

なぜ寝相がわるいのか?

そして、「子供の睡眠」について真面目に調べてみました。

oceanaid.hatenablog.com

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睡眠について

まず、脳の作動形式には「覚醒」、「レム睡眠」、「ノンレム睡眠」の3つがあり、このうち「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を睡眠と捉えます。

 

どちらも睡眠として括られますが、全く違う状態です。

 

レム睡眠とは「休息した大脳を活性化し覚醒させる役割」を持つ睡眠です。

 

つまり、脳が活動している状態です。ただし、前頭前皮質の機能が落ちている ので意識はありません。

 

脳が活動しているため、夢を見のがこちらの睡眠です。

通常、筋肉は弛緩しているため体が動かせません。

 

一方、ノンレム睡眠とは「大脳をうまく休息させる役割」を持つ睡眠です。

 

つまり、脳が休んでいる状態で、深い眠りの状態とも言えます。

 

通常、寝返りするなどの体の動きはできます。

 

成人の場合、90~100分程度の周期で、レム睡眠とノンレム睡眠が約1:4の割合で繰り返されます。

 

子供の睡眠

新生児の場合、40~60分程度の周期で、レム睡眠とノンレム睡眠が約1:1の割合で繰り返されます。

 

3歳頃になると、レム睡眠とノンレム睡眠の割合は成人と同じ1:4程度になりますが、睡眠の周期に関しては5~10歳頃までは成人よりも短いです。

 

睡眠の周期が延長するにつれてお昼寝も減っていきます。

 

また、乳幼児はノンレム睡眠の中でも最も深い眠りの徐波睡眠が成人よりも多くなります。

 

なぜ寝相がわるくなる?

乳幼児に多い徐波睡眠の状態では脳が深く休んでいるため、姿勢を保持することができず、結果的に寝相がわるくってしまうようです。

 

ただし、徐波睡眠は脳がしっかり休める時間帯ですので、寝相がわるいということは、その分脳もしっかり休めているということであり、むしろ良いことと言えるかもしれません。

 

ちなみに、徐波睡眠の状態では発汗も増えるので、寝ている子供の汗が多いことにはこのことも影響しているのかもしれません。

 

子供の睡眠と母乳

母乳には睡眠ホルモンである「メラトニン」が含まれますが、特に夜間帯にはメラトニンの濃度が高まります。

 

そのため、完全母乳栄養とミルクとの混合栄養では、完全母乳栄養の方が睡眠効率が良いようです。

 

子供の夜更かし

日本小児保健協会の調査では、2歳児で22時以降に眠る子どもの割合は35%(2010年のデータ)でした。

 

帰宅時間が遅い両親が、帰宅後にスキンシップをとることで就寝時間が遅くなってしまうことが多いようです。

 

夜更かしが続くと、慢性的な時差ボケ状態になり、

  • 昼間に眠い
  • 頭痛、肩こり
  • 集中力・記憶力低下
  • 食欲低下
  • 性早熟
  • 高血圧
  • 肥満

などの悪影響が出現してしまうので注意が必要です。

 
以上、「子供はなぜ寝相がわるいのか?」と「子供の睡眠」に関するお話でした。